芋の独り言

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イーロン・マスクの第三の矢なるか?:BCIについて



正直,脳波ビジネスといえば”NeuroSky”(→日本語公式サイト)という,私個人としてはそんなイメージがあった. なので,Neuralinkという存在を知らなかった.日本語サイトないみたいだし,脳波関連のガチの研究者じゃないと知らないのは当然なのかも.というわけで,ググってみると,

Neuralink Corporationは、Elon Muskによって設立されたアメリカのニューロテクノロジー企業で、創設チームは埋め込み型のブレインコンピュータインターフェイスを開発していると報告しています。本社はサンフランシスコにあります。それは2016年に開始され、2017年3月に最初に公表されました。

ということらしい.話題の”イーロン・マスク”氏の第三の矢となるような企業ってことだなぁ.イーロン・マスク氏については,以下で滅茶苦茶分かりやすく解説している.お馴染みのオリラジのあっちゃんの動画です.


まず,ブレインコンピュータインターフェイス:BCIについて,簡単に説明すると,脳とコンピュータとのインターフェースをとるというもの.もっと言うと,脳とコンピュータを繋げて,何かできないか?みたいな研究のこと,みたいな感じのはず... かつてはブレインマシンインターフェース:BMIって呼ばれてたけど,BMIだと体重の方の用語と被るし,今はもっぱらマシン≒コンピュータというわけで,BCIという略称が使われている.
脳内埋め込みチップ関連のBCI研究で有名なのは,”ホセ・デルガード”という研究者.牛の尾状核だかに電極ぶっさしてコントロールしたよ~みたいな研究が有名だが,デルガード氏の研究は倫理的にどうなの?とか,本当にできてるの? インチキじゃね?みたいな感じで滅茶苦茶叩かれて一時期研究の第一線から退いていたっていうイメージがある.間違ってたらスミマセン...
デルガード氏以外にも電極を脳にぶっさして脳内に流れる電気とってBCIにしようぜ~的な研究はあった.しかし,被験者は大抵感染症で亡くなっている.そりゃ脳に直接埋め込んでんだから,埋め込む際に脳に菌とかが付いたら死んじゃうでしょ. こういう電極ぶっさすぜ~というやり方は侵襲型といい,リスクが高いってなわけで,皮膚に電極を当てて地震計の要領で脳内の電気信号をとりましょ~っていう方法が主流になった.
そういう脳にぶっささずに,間接的に脳内の情報を得る方法を 非侵襲型といい,前者と区別され,とった電気信号を脳波というわけだ.病院とかが使うMRIとかも非侵襲型なわけですよー.とはいえ,脳波をとるのは難しい.脳波自体が小さな電気だし,皮膚は抵抗として働くためにエコー検査みたいに ゲルを塗って抵抗をできるだけ下げた上で皮膚に電極を付ける必要がある.それだけでなく,頭蓋骨(”とうがいこつ”って読む.研究者の間では”ずがいこつ”とは読まない.)や硬膜・軟膜・もう一つは忘れた...という脳を保護する層が沢山あり, それらによって脳波が皮膚の電極に伝わるまでに滅茶苦茶減衰してしまう.また,脳波より筋電位の方が大きいので,ノイズが大きくのってしまう.なんで,脳波測定するときは,じーっとしててくださいっと被験者に言うわけよ~
だいたいこんな説明でいいすか?ちなみに脳波はEEGと略すから,EEGで調べれば文献が出てくるね~まだ,BCI研究は実用段階ではないな~そもそも,脳のメカニズムが詳しく分かってないんだからさーとはいえ,この手の研究は, AI・宇宙・バイオの中のバイオの一例として加速していく分野,というよりもう注目されてるか?ではあるわけだが,イーロン・マスク氏は宇宙・エネルギーをやりながらこっちにも手を出すわけかーきついような気がするけどなー しかも,侵襲型BMIだし.この侵襲型BMIについての構想は以下の論文として今年発表されてばかりの模様.
An integrated brain-machine interface platform with thousands of channels
英語なんでさっぱり(動画もそうだけど)なんで,見てないけど,日本人でコメントしてる人もいるようだなー

吉砂wi @yoshiisa_wi
脳に直接電極埋めないと、BMIとしては使いにくいのか。 発表した論文は、BMIシステム構築のスキームに関してか。素材だったり、どういう構造だったり、あと脳への電極の埋め込み方とか。データ転送にはUSB-Cで十分だという明記はオモロイな。事業なんで、実現性の明示かしら。 https://t.co/ZirzN8gaJB

そうなのかー

INOUE, Takao @tkoie
イーロンさんがNEURALINKで本気のインプラントおっぱじめた訳だけど、オレのやってるインプラントをの研究は引続き続けられそう。方向性違うので。ただ、こっち方面に向かってきたら、降参するしかないよな。 https://t.co/dIgxyZl7yt

とりあえずマウスでこういう機材使って侵襲型BMIやってみたよーというような論文なんだろうな~
内容はともかく,Referenceに日本人の名が...!あと,Referenceに2019年発表のものも結構あるな~論文読むときにReferenceに注目するのも大事だよねー

  • Kaiju Taro 海住 太郎(カイジュウ タロウ)
    • 2019 : 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 研究員
    • 神経工学 / ブレインマシンインターフェース / 皮質脳波
    • 海住 太郎 | Facebookかも?

という人物らしい.珍しい名前の方だよな.”Kaiju Taro”でググると,ウルトラマンの方が出てくる...
とりあえずブレインマシンインタフェース基盤技術の研究開発でも読むかー