芋の独り言

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安全工学の重要性

誰が提唱したのかは分からないですが,少なくとも私はマックス・テグマーク氏のTEDや超AI入門でのインタビューにて知りました. ”安全工学”は失敗する前に,シミュレーションし得る限りして,不測の事態に出来るだけ対応すべく,準備をする,そのための学問だと言えます. マックス・テグマーク氏のTEDでは,AGI開発において大事だということで述べていましたが,これはどの分野,どの事案においても重要なことですよ. 日本ではあまり,盛んに行われてはいない印象があります.政府が率先してやってもいいくらいの学問ですよ.原発事故も安全工学が足りないために起きた悲惨な事件だと私は思います.

別記事で紹介しました,懲役太郎さんの動画を見て私は改めて”安全工学”というものを考えさせられました. 最近,多くの日本人の心を支えてきた二つの企業にて悲劇がありました.
一つは芸人闇営業問題にて芸人を尊重せずに昨日の会見に至ってしまった吉本興業
二つ目は理不尽な放火により死傷者が出てしまった京都アニメーション
畑は違えど,どちらも多くの日本人に笑いや感動を届けてくれて来た企業です.また,今回起こった事件は全く別物ですが,共通点はあります.
それは”安全工学”の足りなさだと言えます.どちらも,このような事件が起こる前に,予測し,対応策をとっていれば,回避できた,もしくは,被害を小さくできたことなんです. 私はそう思います.何か起こってからでは遅いですし,可能性が低いとか起こりっこないという安全への慢心が,人類の歴史をおいても,多くの人を犠牲にした悲劇を起こしています. 自身の命や大事な人の命を守りたいならば,可能性が低くとも起こるかもしれないと予測されるような最悪なケースに関しては,想定した対策をとっておかないとダメなんです. 我々は歴史から何を学んできたんですか?同じような過ちを繰り返さない,そもそも起こさせない方法を歴史は我々に教えてくれているはずです.そのためにも,”安全工学”的な視点を 一人一人が持ち,緊張感をもって日々過ごさねばならないのです.平和ボケしてちゃダメなんです.失敗してから学んだのでは今の時代遅いのです.特にAGI開発のように人命が問われる場面では, 失敗=人の死を意味していますから.

前者に関しては,芸人とのコミュニケーションやマネージメントをしっかりと,事前に行い,事前に芸人がもしかしたらその手の方々の営業をしてしまうかもしれないという予測のもとに, そうならないようにマネージメントするといった策がいくつもとれたんですよ.でも,それをしなかった.それはマネージメント会社としての慢心です.責務を果てしていません.笑いを届けるのが 芸人の仕事であって,それを支えるのがマネージメント会社の仕事なんですから,芸人がお笑いに集中できる環境づくりをマネージメント会社はしなければならないですし,全員を面倒見切れないなら芸人としてたくさん雇うこと自体間違っているんですよ. 今後,吉本興業だけでなく,他事務所においても,所属する芸人・タレントをファースト(だからといって,芸人やタレントの横暴な言動は許してはなりません)に,リスクを回避するように,改善していってもらいたいものです. 過去に吉本興業以外でもタレントとの間で問題が起こる事件がありましたよね?全て安全工学的視点で,また相手を思いやる対応で,軽減できたことなんです.

後者について,犯人のことについてはあまり語りたくないですし,人間ではないですよ,こんなことをするのは.皆さんそうだと思いますが胸糞悪いですよ.誰しも破壊衝動だとか誰かを憎む気持ちはあるかと思いますが, それをこんな他人の命を奪うような行動にはしませんよ.正常な人間だったら,それはダメだと,理性でキープできるはずなんです.それができないのは脳の異常としか言えず,そんな輩を社会に野放しにしてはなりません.
犯人を許せないのは皆同じ気持ちだと思います.ですが,それとは別の問題として,懲役太郎さんの動画で述べられているように,京都アニメーションの建物の構造やセキュリティの問題についても議論し,改善する必要があるんです. そもそも,こういうテロ行為が自社に対し行われる可能性があるかもしれないから,そのための対策をしようという安全工学の視点があれば,多くの優秀なスタッフの命を犠牲にすることはなかったと思います. はたらきやすい環境より,スタッフの命を守れる環境づくりの方がよほど重要なはずです.優秀な方々がたくさんおられるならば,直のことそうだと思います.
今回の事件で犠牲となってしまわれた方々にはお悔やみ申し上げるととともに,改善されることを願っております

色々書きましたが,私自身たいした存在でないのに,偉そうな事を言ってしまい申し訳ありません.しかし,我々は悲劇を繰り返さぬように改善する責務が生きている我々にはあるのだと,自身も含め,人類全員が忘れてはならないと思います.