ネット工作といわれ話題になってる検察庁法ですが, 有斐閣のポケット六法平成27年度版が手元にあったので日本国憲法や検察庁法を確認してみました. メディアは当然のこと,ネット記事や動画も,いわゆるバイアスというやつがかかっていて,信用できないものが多いかと...
日本国憲法において,
第四一条【国会の地位・立法権】 国会は,国権の最高機関であって,国の唯一の立法機関である
第六五条【行政権】 行政権は,内閣に属する
というように, 日本においては,立法=国会⇔行政=内閣府⇔司法=(最高)裁判所であり, 以上の三者が互いに抑制と権力の分散と均衡を保つことが”三権分立”であり, モンテスキューが『法の精神』で唱えたものですよね. この三権の均衡を主権者たる国民が選挙(立法に対して)・世論(行政に対して)・国民審査(司法に対して)によって監視を行うわけです.
日本国憲法において,検察については特に記載はありません,私の見落としがなければ. あるとすると,第77条【最高裁判所の規則制定権】の②において,検察官は最高裁判所の定める規則に従わねばならないという記述だけです.
検察庁法はポケット六法の112ページと113ページで,その次の見開きの114ページと115ページが検察審査会法について記載されています.
正直パット見てもよく分からない.
誰か中立な立場で適切に解説して欲しいですが.
ザっと見た感じでは,
検察官を束ねるのが検察庁であり,検察庁のグレード?みたいなのは裁判所に対応していますよ,と.
つまり,最高検察庁が検察庁のトップってことですね.
そして,その最高検察庁の長が検察総長で,それを補佐するのが次期検事.
高等裁判所の長が検事長で管轄区域内の地方検察庁や区検察庁の職員の指揮監督も行うと.
そして,検事長の下が検事と副検事で,検察官は以上の総称というわけです.
検事正や上席検察官という立ち位置もあるようですがここでは一旦置いておきましょう.
そもそも検察官とは何ぞやという事で,検察庁法の第四条【検察官の職務】を参照すると,
刑事について法が適切に扱われるように裁判所に物申すというような感じでしょうかね.
また,犯罪の捜査もできるとのことでして,
これらの職務に関し,検察庁法の第一四条【法務大臣の指揮監督】より,法務大臣は検察官を指揮監督できるとのことです.
ただし,個々の事件の取り調べや処分という職務においては検事総長のみを指揮監督できるということです.
ここで,組織図として
を見ると,内閣の下に省庁の一つとして法務省があり,その法務省の中でも法務大臣・副大臣・事務次官の元の一組織として検察庁があるわけです. ちなみに警察は法務省の下の公安委員会の下の警察庁の所属といった感じですかね. また,ドラマでよく出てくる警視庁は東京都の公安委員会の下の組織といったトコロです. そんでもって事件があった際に最初に警察が調べ,その情報を検察に渡し,検察が裁判所に”こんなんありましたけど,どないすんの?”といった感じで被疑者の罪を問うという関係性ですね. 間違いってたらスミマセン...
んで,今回の訂正したかった点というのが,
において,単に63年というのを延長するということでしょう. そもそも検察が法務省の組織なので任命権は法務省にあり,改正案が大きな火種になることはなかったのではないですかね? 検察庁は司法権,そもそも三権に属するものではなく,あえて言うならば行政権に属しているわけで, 今回の改正案で三権分立が脅かされるといったことはなかったのでは? まぁ,私は今回のはネット工作だ~の動画から視たので,そっちよりの思考になってしまっているのですが, 中立に見たらどっちが異常ですかね?
よく考えると,取り下げられてしまいましたが,そもそも審議前の段階なんですよねぇ,たしか. その法案に不満があるならば,国会で適切に審議した上で,その際に反対票を入れればいいだけだと思うのですが... そもそもの討論する機会を失くすというのは可笑しなもので,憲法改正反対派がブッコんだ工作と言われても仕方ない気がしますね~
それにTwitterなどといういくらでも情報操作できるSNSを世論など言わないで貰いたい. そんなものに民意など反映されていないでしょう. 全国民が参加し誰なのか明確にしたうえで発言しているツールであれば世論だと言えますが, SNSは一人の人物がいくつでもアカウントを作れますし,印象操作やプロパガンダなどがし放題ツールです. SNSはあくまで趣味の範囲内で楽しむのを共有するものであって,政治に利用してはならないと思いますね.
まぁ,ブログもまたSNSとするならば,私は以上でいったことに反している,と言えるかもしれませんが... とにかく,いわゆるファクトチェックと信頼のおけるツールを持つこと,発言には責任を持つこと(根拠を明確にする)ですね~
- 有斐閣 ポケット六法平成27年度版
- 帝国書院 アクセス現代社会2012 p194 *山川出版社 世界史B用語集 改訂版(2012年) p187,197
- 警察との違い:検察庁
- 法務省:検察庁の沿革と組織
- 組織について | 警視庁で働くとは | 令和2年度警視庁採用サイト
- 警察のしくみ|警察庁Webサイト